むねた裕之
むねた裕之むねた裕之

川崎市・子ども医療費―中学生まで拡充(所得制限なし)、一部負担金は維持

9月13日、川崎市議会第4回定例会における日本共産党・代表質問で「小児医療費助成制度について」取り上げたので、その質疑を紹介します。

●質問

小児医療費助成制度について、市長に伺います。

市民の皆さんは強い願いを元に助成拡充に向けた運動を粘り強く広げ、私たちも毎回の議会で拡充を求めてきました。周辺自治体がすべて中学校卒業まで拡充し、次々所得制限も廃止をする事態まで至って、ようやく市長は「来年度の拡充を検討する」と述べられました。しかし「近隣他都市の動向や持続可能性に配慮」するとして、対象年齢や所得制限と一部負担金の撤廃などについては明言されませんでした。

「近隣他都市の動向」を見ると、神奈川・東京・千葉・埼玉の212市区町村のうち、本市以外の211市区町村はすべて通院も「中学校卒業まで」が対象です。もはや中学生までの拡大はあまりにも当然です。助成対象を「高校生卒業まで」としている自治体も、来年4月時点ですでに115市区町村、54%にのぼります。すぐに中学卒業までの拡充を明言し、高校卒業までの対象拡大を視野に入れた検討を始めるべきですが、伺います。

1都3県で所得制限を設けている自治体は、埼玉県ではゼロ、千葉県では1市のみ。さらに来春から東京23区や横浜市、藤沢市などが相次いで撤廃を予定。来年4月時点で1都3県で所得制限を設けているのは15%だけになります。また一部負担金制度についても、同様に33%しか実施していません。「近隣他都市の動向」と言うのであれば、所得制限と一部負担金の撤廃をいますぐ表明すべきです。伺います。

◎答弁

はじめに、対象年齢につきましては通院医療費助成の対象を小学校6年生から中学校3年生に、拡大いたします。

次に、現在、児童手当に準拠する形で設定している所得制限については撤廃してまいります。また、市民税所得唐明上課税世帯を除く小学校4年生以上を対象に、1回500円を上限として設けている一部負担金につきましでは、制度の安定的かつ継続的な運用を図るため、維持すべきものと考えております。

この制度は、本来、国の責任において全国一律の制度として構築するべきであると考えておりますので、引き続き、他の自治体、と連携しながら国に対し要望してまいりたいと存じます。

●再質問

中学3年生までの拡充は、すでに1都3県で本市以外の市区町村がすべて実施しているもので、遅きに失しています。最低でも来年度当初から実施すべきであり、可能な限り早く前倒しで実施すべきです。市長に伺います。1都3県のうち支給対象を高校卒業までとしているのは来年度から115市区町村で54%にのぼります。高校卒業までの拡充を視野に検討すべきですが市長に伺います。

一部負担金についてです。1回500円でも3人きょうだいが毎週歯医者に通えば6千円になり、経済的に厳しい家庭にとっては重い負担です。川崎区のある歯科では「一部負担のない小学3年生のうちに治療を終わらせよう」「子どもに負担のない範囲で1回のうちに多く治療しよう」など、負担に配慮した治療で家庭を支えています。横浜市や東京都日野市など一部負担をなくす動きも続いており、一部負担金を取っているのは首都圏では3分の1の自治体だけです。所得制限とともに一部負担金もなくして、すべての子どもが心配なく平等に医療を受けられる制度にすべきですが市長に伺います。同様に入院医療費の償還払いも一度に多額の費用がかかり重い負担となっている実態があります。現物給付に改めるべきですが市長に伺います。

◎答弁

はじめに、開始時期につきましては、条例改正や必要となるシステム改修の準備等の手続きのほか、市民の皆様や関係団体及び医療機関への周知などを経たうえで、来年度中の実施に向けて取り組んでまいります。

次に、対象年齢につきましては、通院医療費助成の対象を小学校6年生から中学校3年生に拡大し、着実に運営してまいりたいと存じます。

次に、一部負担金につきましては、制度の安定的かつ継続的な運用を図るため、維持すべきものと考えております。ただし、低所得世帯への配慮として、市民税所得割非課税の場合には、引き続き一部負担金は求めないことといたします。

次に、現在、医療証の交付対象ではなぐ、入院の場合のみ償還払いにより助成している方につきましては、今回の拡充により、現物給付が可能になるよう医療証を交付してまいります。