むねた裕之
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(川崎市・特別市)警察や県有施設、道路・河川の整備はどうなるの?

特別市とは「県から独立して権限と財源を一本化」

 川崎市は、指定都市制度の問題点について、「二重行政」と「不十分な税制上の措置」などの課題があるとして、「川崎市が原則として県の仕事をすべて担い、権限と財源を市に一本化」し、「二重行政を解消し、素早い対応が可能になる」として特別市をめざすとしています。しかし、これに対して神奈川県は、21年11月「特別自治市報告書」を発表し、最近はパンフレットも作成して、様々な角度から反論を述べています。

県の広域行政(警察・医療など)はどうするのか

 県は、医療、警察など、県内に偏在する地域資源を有効活用し、市町村のバックアップといった「総合調整機能」(広域行政)を発揮しています。この機能が特別市になると、「指定都市域を含む住民サービスが低下するおそれがある」と指摘しています。例えば、コロナの時の入院調整や警察機能、警察本部などの施設、警察官・職員は自前で持つのか、という問題もあります。

新たな市民負担:県有施設、道路・河川整備など

 現在、市内の県有施設は134施設あり、財産価格1622億円にもなります。特別市側は県有施設の移管・取得費用や債務引き受け額などは相当な額になると思われます。例えば、警察・交通機能の維持管理・運営費用、道路や河川の維持管理・改修費用、県有施設の維持管理、県営住宅、学校などの長期修繕費用などです。これらの莫大な費用の財源はどのように確保するのか、一切示されていません。

県庁所在地が特別市になれば移転費用は莫大

 県が反対する最大の理由は、指定都市に県庁所在地があるという点です。多くの指定都市には県庁、県警本部、県議会など県の主要な行政、県政の機関が集中しています。このような指定都市が独立するとなれば、県はどこでどのように県政を行えばよいのか?これらの機能を移転するにしても移転費用は少なくても数百億円はかかります。そんなことをすれば、それぞれの地方の財政が破綻する危険性さえあります。