決算の特徴・・財政力はトップ、市税収入も過去最高で、収支は44億円の黒字
9月12日、日本共産党の代表質問での「決算の特徴について」、質疑を紹介します。
●質問
市税収入は過去最高、財政力は政令市トップ
2023年度決算の特徴についてです。
2023年度一般会計決算では、歳入総額が、8632億円、歳出総額が8526億円となり、実質収支額はプラス44億円となりました。市税収入は、97億円増の3879億円で過去最高となり、これは個人市民税が所得の増加により50億円の増、固定資産税が23億円増、法人市民税も企業収益の増により14億円増などによるものです。財政力指数は、政令市で唯一、1を超え、基準財政収入額が需要額を上回っており、政令市トップを続けています。そのため政令市で唯一の普通交付税の不交付団体となっています。財政健全化指標は、すべて基準値を下回っており、極めて優良。一人当たりの市債残高は、政令市の平均よりも13万円低く、借金の負担額が少ないのが特徴です。
平均年齢が最も若く、6年間は人口増加で税収増が続く
川崎市は、政令市で平均年齢が最も若く、生産年齢人口割合が最も大きい都市で、人口推計でも今後6年間は増加を続けるため市税収入の増加は今後6年続くと予想されます。このように、市税収入、財政力指数、財政健全化指標のどれをとっても、川崎市は政令市でトップクラスの財政力を持っています。
予算で120億円の赤字と言っていたのに、44億円の黒字
収支フレームについてです。
23年度予算では120億円の収支不足が出るとしていましたが、決算では44億円のプラスとなりました。収支不足をなんと160億円以上も過大に試算していました。わが党は、予算、決算議会で何度も収支不足額が過大であると主張してきましたが、またその通りになりました。23年度の収支不足額ついて、なぜ、これだけの誤差が生じたのか、伺います。誤差の原因は収支フレームにあります。収支フレームでは、206億円の収支不足が出るとしていましたので、決算との誤差は250億円にもなります。今後もこの収支フレームに沿って予算を立てれば、過大な収支不足額のために必要な予算が取れなくなります。これだけの誤差が出ている収支フレームは、実態に沿ったものに見直すべきです、市長に伺います。
減債基金は、政令市の1.6倍で1000億円も多い
減債基金についてです。
23年度予算では減債基金から120億円借入れる予定でしたが、決算では収支不足が出なかったために借入はゼロとなりました。減債基金残高は、一般会計分でみると積立額445億円、取崩額211億円で2766億円となり、一人当たりの残高は政令市平均の1.6倍にもなります。政令市の減債基金残高は、取崩額の平均4年分ですが、本市の場合は9年分にもなります。減債基金からの借入が517億円ありますが、それを差し引いた実質残高は2249億円ですが、取崩額4年分を差し引いても約1000億円も多く、他都市と比べて、極めて多い残高となっています。今後5年間、積み増しをして2028年度には、600億円増の3367億円となり、年間の市税収入に匹敵する額になります。
物価高騰などで市民生活・中小企業の経営が大変になっていますが、市のこれに対する独自支出は、わずかです。物価高騰の中で財政支援が必要な時だからこそ、減債基金の積立額を減らして市民生活・中小企業支援に回すべきです、市長に伺います。
社会保障と臨海部の大規模事業についてです。
社会保障費である扶助費については、微増で一人当たりの扶助費の額は、引き続き政令市の平均を下回っており、福祉予算である民生費も1人当たりにすると政令市平均よりも約2万円低い状況です。一方、臨海部の大規模事業には、臨港道路東扇島水江町線整備58億円、コンテナターミナル整備事業21億円、東扇島堀込部土地造成事業など不要不急の事業に約90億円が支出されています。不要不急の大規模事業は中止、凍結して市民の福祉・くらしのほうに予算を振り向けるべきです市長に伺います。
●答弁
収支フレームにつきましては、持続可能な行財政基盤の構築に向けた指針であり、本市の総合計画・実施計画や行財政改革プログラムの取組を反映して策定しているものでございますことから、今後も、実施計画等の策定とあわせて改定してまいります。
次に、減債基金への積立につきましては、世代間の公平を図るために、市債の満期一括償還に備えて計画的に行っている償還そのものであり、残高の多寡にかかわらず当然に行うべきものでございます。
次に、財政運営につきましては、社会保障や物価高騰への対応、防災・減災対策、都市機能の充実など、誰一人取り残さず、今後も持続可能な都市であり続けるため、乗り越えなければならない課題に、バランス良く、的確に対応しているところでございます。