むねた裕之
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臨海部の水素戦略 石炭由来の水素では世界に通用しない

オーストラリアで褐炭を燃やして作った水素を輸入

 代表質問では、川崎市の水素戦略の問題点について質疑をしました。川崎市は、オーストラリアで褐炭を燃やして作った水素、グレー水素を作り、CO2を回収・削減するためのCCS技術を使ってブルー水素にして輸入し、その水素を発電所で天然ガスに混ぜて燃やす、いわゆる混焼で発電し、ゆくゆくは水素のみで燃やす専焼に移行するとしています。

‐253度に冷却して船舶で輸送、発電コストは太陽光の4倍

水素の混焼・専焼発電について、一番の問題は輸送費で、―253度まで冷却して液化した水素をオーストラリアから運んでくるため、水素専焼の発電コストは、太陽光や風力の4倍、今の天然ガスの2倍。しかも、水素を液化してオーストラリアから船舶で輸送するとなると、膨大なエネルギーロスが生じます。

CO2排出し続ける電力から作る製品は輸出できなくなる

世界的な大企業では、「つくる」「運ぶ」「使う」「廃棄する」などすべての工程において、CO2を規制する動きが強まっており、これに合わせて国際エネルギー機関(IEA)やG7先進国は「2035年までに電力部門からのCO2ゼロを目指す」としています。しかし、日本政府の計画では、2040年代まで水素混焼を続け、発電所からCO2を排出し続けることになり、こういう電力を使って製造した部品、製品は輸出できなくなります。そうなると世界のサプライチェーンから外され、日本の製造業が危機に陥ることに。共産党は、臨海部の広大な土地、建物を使えば、エネルギー自給は可能であり、水素の混焼・専焼発電の計画は中止をして、太陽光・風力などの自然エネルギーに切り替えることを求めました。