市職員の長時間労働、メンタル疾患は深刻、職員の増員を
9月21日、決算審査特別委員会(総務分科会)でむねた議員は、「市職員の働き方改革」の問題で質疑しましたので紹介します。
(時間の関係でカットした部分も含みます)
●質問
・2款1項1目、市職員の「働き方・仕事の進め方改革」について、伺います。
職員の長時間労働について
- 時間外勤務職員数について、全任命権者における直近3年間の年480時間超、年1000時間超の職員数を伺います。
◎答弁
直近3年間におきまして、年間480時間を超えて時間外勤務を行った職員の数は、交通局の自動車運転手や病院局の医師等を含め、令和2年度は664人、令和3年 度は771人、令和4年度は752人でございます。 また、1000時間を超える職員の数は、同じく、令和 2年度は49人、令和3年度は64人、令和4年度は47 人でございます。
●質問
時間外勤務の年480時間超700人超、1000時間超50人
年度 | 年480時間超 | 年1000時間超 |
2020年度 | 664人 | 49人 |
2021年度 | 771人 | 64人 |
2022年度 | 752人 | 47人 |
・時間外勤務職員について、直近3年間では、480時間超は、600人台から700人台に増加、1000時間超も50人前後、大変深刻な状況です。コロナが収束しても、増加しているということは、長時間労働が常態化しているということです。
- どこの部局が多いのか?また、その理由について伺います。
◎答弁
令和4年度に480時間超の時間外勤務者が多かった局といたしましては、総務企画局、健康福祉局、こども未来局、教育委員会事務局でございまして、その主な理由といたしましては、新型コロナウイルス感染症への対応、保育や児童虐待関連業務、教職員の人事関係業務などに伴う業務対応でございます。
●質問
36協定「緊急の業務でも年480時間まで」、本来ゼロであるべき
・時間外勤務時間の上限について、36協定では、「公務の運営上やむを得ない場合」でも上限時間は年360時間、「予見できない臨時または緊急の業務が集中した」場合でも年480時間まで。本来、年480時間超の職員はゼロであるべきなのに700人を超え、年1000時間超の職員が50人前後もいる。異常な事態です。
- このこと自体、大変な問題だという認識はあるのか、局長に伺います。
◎答弁
平成29年度から「働き方・仕事の進め方改革」の取組を進めており、長時間勤務の是正に関しましては、午後8 時以降の時間外勤務の原則禁止、デジタルの活用による 効率的な業務執行、コロナ禍における部局間での応援体制の構築などにより、取組以前の平成28年度では894人だった年間480時間超の人数について、令和4年度においては752人となり、 142人減少しており、取組には一定の効果があるものと老えているところでございます。 一方で、いまだ700人を超える人数がいることは課題であると認識をしておりますので、引き続き、長時間勤務の是正に取り組み、 36協定の上限時間が遵守されるよう努めてまいります。
●質問
局長「一定の効果」「遵守に努める」、そんなレベルではない
・「年480時間超の職員はゼロであるべき」なのに700人を超えているのです。「一定の効果があった」「36協定の上限を遵守するよう努める」というレベルではないと思います。
長期療養者数について
- 長期療養者数、メンタルによる長期療養者数について、直近5年間の人数を伺います。
◎答弁
教職員を除く長期療養者数は、平成30年度は244人、令和元年度は272人、令和2年度は315人、令3年度は411人、令和4年度は405人でございます。 このうち、メンタルヘルス不調によるものは、平成30年 度は147人、令和元年度は180人、令和2年度は 217人、令和3年度は259人、令和4年度は261人でございます。
●質問
5年間で長期療養者1.7倍、メンタル1.8倍と激増
年度 | 長期療養者数(人) | 精神・行動の障害(人) |
2018年度 | 244 | 147 |
2019年度 | 272 | 180 |
2020年度 | 315 | 217 |
2021年度 | 411 | 259 |
2022年度 | 405 | 261 |
・長期療養者数は、5年前に比べて1,7倍に急増。メンタルも1.8倍となり、激増、深刻な状況。
- 長期療養者数の激増は何が原因と考えているのか、長時間労働は大きな要因ではないのか、伺います?
・◎答弁
本市においては、20代・30代の長期療養者が近年増加傾向で、その原因は職場不適応の他、引っ越しや子どもの出産などの生活環境の変化等のストレスに起因するメンタルヘルス不調が多くを占めております。また、最も長期療養者数が多い50代では、悪性新生物等のメンタルヘルス不調以外が約半数を占めております。
●質問
答弁「原因は職場不適応、生活環境」、長時間労働の反省がない!
・長期療養者の激増は「長時間労働が原因では?」という質問に対して、「職場不適応」「生活環境の変化」という答弁で、何か本人に原因があったかのような答弁です。これ自体、長時間労働に対する反省がないことの現れです。
長時間労働を減らす対策について
- 行財政改革第3期プログラムでは、時間外勤務是正について、どういう目標を掲げ、どのように達成するのか、伺います。
◎答弁
目標「年間480時間超の時間外勤務者をゼロに」
長時間勤務につきましては、交通局の自動車運転手や 病院局の医師等を除き、年間480時間を超える時間外勤務職員数を0 (ゼロ)にするとしており、その目標の達成に向け、午後8時以降の時間外勤務の原則禁止など、職員意識の更なる醸成、応援体制の構築や管理職による業務量の平準化等の対応、新本庁舎整備を契機とした働 方の見直し、業務プロセス改革の取組やデジタル技術を活用した業務玄力率化を進めるなど、引き続き、長時間勤務 の是正に取り組んでまいりたいと存じます。
●質問
対策「職員の意識」「応援体制」と答弁、「職員の増員」とは答えず
・「480時間超の時間外勤務職員数をゼロにする」が目標なのに、700人もいるのです。どのように達成するかについては「職員の意識の醸成」「応援体制」「業務量の平準化」という答弁ですが、一言も「職員の増員」という言葉がありません。職員の増員なしに700人もの480時間超の時間外勤務をゼロにすることは不可能です。
(要望)
健康福祉局、こども未来局、教育委員会への「職員の増員」を!
・あらためて必要な部署、例えば480時間超の勤務者が多い、総務企画局、健康福祉局、こども未来局、教育委員会への「職員の増員」を要望します。