むねた裕之
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マイナカード・保険証―運用はストップし総点検を、保険証の廃止は撤回を

6月22日、川崎市議会6月議会で日本共産党は、「マイナンバーカード・保険証について」代表質問を行いましたので、その質疑を紹介します。

(下線部は質問です)

●質問

マイナンバーについてです。

 改定マイナンバー法が成立し、2024年秋に現行の健康保険証を廃止して「マイナ保険証」に一本化するほか、マイナンバーの公金受取口座とのひもづけを進めるとしています。しかし、この間、誤交付、誤登録、マイナ保険証でのトラブルなど川崎市を含めて各地で様々なトラブルが発生しています。新聞各紙は、「保険証の廃止方針をいったん凍結し、国民の不安を払しょくするのが筋だ」「見直しは今からでも遅くはない」などの批判が出ています。

マイナ保険証についてです。

厚労省は5月12日、マイナカード保険証に別人の情報が紐づけされた事例が7312件あったと発表しました。全国保険医団体連合会(保団連)が5月29日、全国の医療機関に実施したアンケート調査では、2385か所の医療機関のうち、59・9%で「他人の情報がひも付けられていた」などのトラブルが発生していました。

 医療機関では、マイナカードで受診する場合、医療機関の窓口に設置された読み取り機にカードをかざし、本人確認のため、顔認証か暗証番号が必要です。現行、保険証を見せればよいだけの対応が、マイナ保険証だと、認知症や障害を持つ方の本人確認、別人の医療情報、システムの不具合時はどうするかなどの問題は山積みです。福島県や千葉県などでも「資格無効」と表示され、患者が医療費を一時全額負担したケースがあったということです。保険証の誤登録は、別人の情報をもとに医療行為や薬剤の投与が行われることになり、命にかかわる問題です。さらに現行制度では、「保険証は毎年届くもの」が、新制度ではマイナカードを持たない人は、資格確認書を発行するが1年ごとに申請が必要であり、カード保持者でも5年ごとに申請が必要です。保団連は「保険証の廃止は、要介護の高齢者などマイナカードの取得や管理が困難な人に重大な影響を及ぼす。申請漏れなどにより「無保険扱い」の人が多数生じかねない」と指摘しているように、国民皆保険制度の根幹を揺るがすような問題です。以上のことから健康保険証の廃止は撤回するよう国に要請すべきです、市長に伺います。また、公金受取口座の問題では本市も含めた自治体が相次いで、マイナンバー口座の利用を停止しています。マイナカード、マイナ保険証の運用を止めて、問題点をすべて究明するよう国に要請すべきです、市長に伺います。

◎答弁

被保険者におきましては、過去の健康・医療データに基づく適切な医療を受けられるようになるほか、転職や転居による保険証.の切替え・吏新が不要になるものでございまして、本市におきましても、内部事務の効率化につながるものと老えております。

現在、国では.来年秋の一体化に向けて環境整備に取り組む中で、要介護者など申請が難しい人に対し、家族や入居施設などの代理申請を促し支援することや、マイナンバーカードの取得が期待できない人に対して、保険者が職権で資格確認書を交付できるよう検討がなされておりますが、新たな負担や混乱が生じないよう、神奈川県を通じて国に要望しているところでございます。 あわせて、マイナンバー制度の安全性や信頼性の確保に向けて、丁寧かつ十分で分かりやすし、説明に努め、マイナンバーカードの安全性と利便性の両立を可能とする仕組みの構築を図るよう、国に要望しているところでございます。