むねた裕之
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秋田県藤里町の視察ー若者は地域の宝

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4月18日、秋田県藤里町社会福祉協議会「こみっと」を視察してきました。

ここは、不就労や地域で孤立している若者たちを訪問して、就労支援を行う「藤里方式」によって113人いた不就労の青年の8割をその状態から脱出させたことで、全国的に注目されています。

会長さんの菊池まゆみさんから話を伺いましたが、目からうろこが取れるような内容でした。

地域で孤立している青年に戸別訪問をしていくわけですが、青年たちは、高校卒業で就職に失敗したり、フリーターで働いていてだんだん仕事がなくなるなどして、簡単に孤立していきます。そういった青年に対して、相談にのるのではなく、あくまでも情報提供というスタンスで接しています。それは、「皆さん自分で判断できる方だから」という信頼からでした。

そういう方たちに情報として、「こみっと」での仕事(うどんやキッシュづくりとレストラン・写真)農家や事業者から請け負った仕事(農作業体験、野焼き、除雪作業)、ヘルパーなど資格のための受講者募集などを紹介するだけですが、自ら参加、体験する中で、資格と取って就職を決めていきました。「彼らに足りないのは、社会的経験だけ」だということでした。

私が、一番素晴らしいと思ったのは、若者への目線の温かさでした。孤立している青年が傷つく「ひきこもり」という言葉は使いません。「お荷物」とも決してみていません。「可能性を秘めた若者たち」「地域の宝」としてみているのです。だからこそ青年たちは信頼し、勇気をもって参加し、体験の中で自信を回復して巣立っていくのだと思いました。

これは、小さな町だからできるということではなく、この教訓は川崎のような大都市でも生かせるのではないかと思います。