田奈高校視察―親身になって生徒の相談に乗ってくれる高校
10月3日、大庭、片柳議員と一緒に横浜市の県立田奈高校を視察しました。
生徒のていねいな就職支援、「ぴっかりカフェ」などの相談支援などでマスコミでも報道されている高校で、2009年度には入学に学力試験がない「クリエイティブスクール」に指定されています。
驚いたのは、きめ細かく親身な進路、就職支援です。青春相談室「田奈Pass」、有給職業体験プログラム「バイターン」などを通して、スクールキャリアカウンセラーが就職希望者全員との面接、マッチング、就職先開拓、面接会場への同行を含めてきめの細かい支援を行っています。卒業した後も、仕事が継続しているかなど卒業生の相談にまでのっているということです。このような先生たちの努力と支援があり、就職率は2011年度14.7%から2015年度47.3%と急激に改善、進路未決定率は2005年度43%だったのが、2016年度19%にまで改善されました。
素晴らしいなあと感じたのは、「ぴっかりカフェ」です。毎日新聞でも「洋楽が流れる図書館に、授業を終えた生徒たちが集まる。コーラ、コーヒー、梅昆布茶・・。用意された中から選んだ好きな飲み物を手に、おしゃべりに興じたり、一人漫画を読みふけったりと思い思いの時間を過ごす。・・生徒がくつろぐ図書館に週1回「開店」し、学校に「自分の居場所」があることを伝える」と紹介されています。漠然とした不安や悩みがあってもなかなか相談に行けない生徒もいます。そういう生徒が、相談に行くのではなく、ドリンクを飲みながら誰かと話しに行く、そこで出会った大人(支援者)と交流して信頼できそうであれば、愚痴や悩みを話してみる。話しているうちに自分の抱える漠然とした不安が整理され、援助が必要な場合は、支援につなげる。そんなカフェです。
ショックだったのは、そこの出された飲み物で一番人気なのが「みそ汁」ということでした。生徒の家庭の状況、格差と貧困が垣間見られる話でした。先生たちが声をそろえていたのは、基礎学力不足の生徒の増加、生徒の家庭の経済的困窮度が強まるなど生徒の困難な状況が広がっていることでした。政治の責任が大きいと感じました。
川崎市でも、このように生徒と親身になって相談に乗れる体制、支援制度をつくる必要があると思います。