一般質問―四方嶺住宅跡地に誰もが利用できるネット付きグランドを!
12月18日、宗田議員の一般質問が行われ、四裳の嶺住宅跡地の問題について質疑を行いましたので、紹介します。
高津区蟹ヶ谷の市営四方の嶺住宅跡地利用の基本方針について、まちづくり局長に
◎質問
パブリックコメントの結果ですが、広場・スポーツゾーンについての意見・要望が最多の43件、その中でも「球技ができるグランドを残して」が15件、「誰もが使える広場を」が10件と最多でした。住民説明会でも、「民間への売却が中止になった」ことを評価する声とともに、「球技ができるグランドを残して」などグランドに関する意見が多くありました。
① パブコメや住民説明会では「誰もが使える広場」「球技ができるグランドを残してほしい」という要望はこれだけ強いのですが、この要望は、「見直し」のどこに生かされているのか、伺います
◎答弁
パブリックコメントなどでいただいた、「いつでも誰でも自由に利用できる広場が欲しい」、「球技ができる専用グラウンドが欲しい」などの御意見につきましては、売却を前提としていた見直し前の基本方針の説明会などにおいても同様の御意見をいただいておりました。 このため、この度の基本方針の見直しにあたりましては、約0.5へクタールの広場・スポーツゾーンを新設し、そのうち約0.3へクタールを「誰もが自由に使える広場」、約0.2へクタールを「民間活力を活かしたス ポーツ機能」を導入する方針としたところでございます。
パブコメの「グランドを残して」という一番多い声が反映されていない
◎質問
パブコメや説明会に参加した方の多くが、「見直し案」の0.2haの民間事業者に委託するスポーツ施設(図の赤丸印)に対して、また「グランドを撤去する」という説明に対して「今までのような球技ができなくなってしまう」と心配の声が上がっているのです。そんな声が多数出ているのに、パブコメ後の「見直し」」では、全く変わっていないではないですか。一番多かった意見、声が無視されています。これでは、パブコメ、説明会を実施した意味がありません。
② 広場・スポーツゾーンに公募する民間事業者について、どのようなスポーツが想定されるのか、また、それは有料となるの、伺います。
③ 民間のスポーツ施設では、「誰もが使える広場」となるのか、伺います
民間スポーツ施設は有料でフットサル、テニスコートに
◎答弁
この度、見直した基本方針におきましては、約1.7ヘクタールある跡地のうち、約0.5へクタールを広場・スポーツゾーンとし、その一部の約0.2へクタールは、 民間活力を活かしたスポーツ機能の導入を位置付けております。 スポーツ機能の導入に当たりましては、公募のプロポーザルによって選定した民間事業者と有償の借地契約を想定しており、基本的には有料の、例えばフットサルやテニスなどのスポーツが提案される可能性が高いと考えておりますが、現時点で決まったものはございません。 今後、民間事業者の提案を募集し、気軽に誰もがスポーツを楽しめることや災害時の対応などの地域貢献を適切に評価しながら、よりよいスポーツ機能を導入してまいりたいと考えております。
民間スポーツ施設では誰もが使える、球技ができる施設にはならない
◎質問
この民間の施設は、有料で「フットサルやテニスコート」になる可能性が高いということですが、これで、どうして「誰もが使える広場」となるのでしょうか。民間の有料施設になれば、川崎市外からも来るかもしれませんし、ますます地元の方が使えなくなる可能性もあります。今のグランドは、0.25haほどの正方形で、ネットがあり、14団体、約450人の少年野球、ソフト、サッカーチームが、練習試合や打撃練習など思いっきり使っています。
④ 現在、行われている野球、ソフト、サッカーなど「球技ができるグランドを残して」という要望は、導入しようとしている民間のスポーツ施設で実現できるのか、伺います
◎答弁
広場・スポーツゾーンにおけるスポーツゾーンにつきましては、公募のプロポーザルにおいて、いただいた御意見を補完できるようなスポーツ機能の導入や地域貢献などを適切に評価しながら、民間事業者を選定してまいりたいと考えております。
グランドがなくなれば、現在の14団体の練習場所はなくなる
◎質問
フットサルやテニスコートでは、野球やソフト、サッカーはできないし、この施設で他の広場の場所を取られれば、残りの広場でも球技はできないです。この地域で球技ができるグランドは、ここと東橘中・子母口小の合築されたグランドの2か所のみです。しかし、合築された東橘中のグランドは部活のためにほとんど使えません。かといって、多摩川のグランドまではとても遠くて、なかなかいけませんし、抽選にもそう簡単に当たりません。現在グランドを利用している14団体、450人の子どもたちは練習の場を失い、団体の存亡の危機に陥ってしまいます。
⑤ なぜ、民間の有料スポーツ施設を導入するのか、伺います
◎答弁
限られた土地について、いただいた御意見などを踏まえスポーツ機能を導入し、また、持続的に良好な維持管理を図ることができるよう、民間活力を活かしたスポーツ施設の導入を決めたものでございます。
「良好な維持管理」というのはスポーツ施設導入の理由にならない
◎質問
「持続的に良好な維持管理を図ることができるよう」という答弁ですが、それだったら、道路公園センターでも管理できますし、隣の福祉複合ゾーンに入る事業者にもお願いできます。「民間の有料スポーツ施設」導入の理由には全くなりません。
⑥ なぜ、広場・スポーツゾーンを2000㎡と3000㎡に分ける必要があるのか、伺います
◎答弁
見直した基本方針におきましては、導入機能の性質に応じたゾーニングを行っており、広場・スポーツゾーン を約0.5へクタールとしておりますが、現状の土地利用として、このゾーンを3,0卯平方メートルと2,0卯平方 メートルに分ける形で、隣接する住宅地に通じる約4メートルの位置指定道路が存在しております。 この道路は、隣接する住宅地にお住いの方の生活動線としての役割を果たしており、跡地利用の際にも現況の場所に残す必要があることから、広場ゾーンとスポーツ ゾーンに分かれるものでございます。
「生活道路がある」というのは広場を分けた理由にならない
◎質問
「現在、住宅地に通じる道路があるため」という答弁でしたが、この道路(左下の矢印)は右でも左でもずらせるわけで、この広場を2000と3000に分けた理由にはなりません。
⑦ 地元の町会、自治会は、このスポーツゾーンの利用方法に賛同しているのか、伺います
◎答弁
この度、見直した基本方針に関するパブリックコメントや説明会における御意見といたしましては、「現況のグラウンドを残すなどこの跡地に安心して球技ができる専用グラウンドが欲しい」という御意見や、「いつでも誰でも自由に利用できる広場を整備して欲しい」という御意見、また、「有料スポーツ施設については、地域に開放する時間をとって欲しい」、「有料スポーツ施設ができるのはやむを得ないが地元チームが優先的に使えるようにして欲しい」など、様々な御意見がございました。
◎質問
住民説明会で、「このグランドを使っているのは14団体、450人。その人たちを排除するつもりか」と発言したのは地元町会の方です。説明会の後、私は地域の町会、自治会の方を訪問していろいろ意見を聞いてきましたが、グランドをなくすということに対して、全く納得していませんでした。グランドを使っている方々にも話を聞いてきましたが、「もし、このグランドがなくなれば、練習は、ほとんどできなくなり、クラブは維持できない」という方もいました。
説明会では、行政側から「一部の団体が占用しているから、誰もが使える広場にならない」という意味の答弁がありました。しかし、橘公園は、道路公園センターに予約して、団体が占用にしたり、その他の時間帯は一般開放したりして誰もが自由に利用しています。管理は、道路公園センターや福祉複合ゾーンの事業者でも可能です。現在、各団体が使っているグランドを、誰もが使えるグランドにすることは、何の問題もありませんし、グランドをなくす必要はありません。
公園を一体で管理してネット付きグランドを残すよう計画の見直しを
◎意見・要望
以上のように、パブコメや住民説明会で、最も多かった意見は「誰もが使えて、球技のできるグランドを残してほしい」という要望です。しかし、その要望は、この計画には一切反映されていません。その一方で、「民間の有料スポーツ施設を導入する」という案が入っています。これでは、誰もが使える公園にはならないし、野球やソフトなどができる公園にはなりません。導入する理由も「良好な維持管理」のためというなら道路公園センターでもできますし、全く導入する理由にはなっていません。この広場を2つに分けるという理由も「現在の生活道路があるから」としていますが、これも道路の位置をずらせば問題はなく、公園を分ける理由にはなりません。この公園は一体にしてこそ、多目的に使える公園としても生きるわけですし、災害の際にも、すぐに対応できるわけです。
地元の多くの方は納得していない、再度、住民説明会を
「民間の有料スポーツ施設を導入する」という計画は、見直して、誰もが使えて球技ができるネットがあるグランドを残すことを強く要望します。
また、来年の3月で、特養ホームの工事着工のために、このグランドが使えなくなるという説明がありました。工事車両のために道路拡幅するということですが、道路拡幅はグランドの端の一部であり、グランドの使用は可能ではないでしょうか。ぜひ、グランド使用の延長も要望します。この見直しに納得されていない方が多くいます。説明会でも出されたように、再度、住民説明会を要望します。