むねた裕之
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日本の貧困の実態と生活保護

8月25,26日、長野市に生活保護問題、議員研修会に参加して、日本の貧困問題、生活保護問題について学んできました。

以下に、その概要を紹介します。

日本の貧困の現状

相対的貧困率は、15.6%で6.4人に一人が貧困。先進国の中でも最低レベルであり、一人親世帯では50.8%と半数以上が貧困状態です。

2013年度の日本の貧困線(年収)は122万円(月10.2万円)。貧困線は1997年149万円をピークに下がり続けています。

階層別の特徴は、中間層が減少し、若い層と高齢者(特に女性)の貧困率が高く、その原因は、若い層では非正規雇用の増大、高齢者では年金額が低いことが挙げられます。

貯蓄額が100万円未満の世帯は21.5%であり、何かをきっかけに老後破産に陥る危険性が高くなっています。

老後破産の原因としては、①病気、②熟年離婚、③子供の貧困化などが挙げられました。

障害者の世帯では、4人に一人が貧困であり、なんと8割以上が貧困線以下の収入で暮らさざるをえない状況です。

生活保護の利用実態

これだけ他国と比べても貧困化が進んでいる日本ですが、生活保護を利用している方は、少ないのが実態です。

日本は他国と比べると生活保護の利用率は低く、ドイツ9.7%、イギリス9.3%、フランス5.7%なのに日本は、1.6%。

生活保護の捕捉率は、他の先進国は6~8割なのに、日本は15~18%と大変低く、受ける権利はあるのに、保護から漏れている方が数百万人いるといわれています。

生活保護の制度

目的=最低生活の保障・・国の責任で健康で文化的な最低限度の生活を保障する(憲法25条)。

無差別平等の原理・・旧法にあった勤労の態度、素行不良などの欠格条項を削除されました。貧困に至った理由を問わず、経済的状態だけに着目するとなっています。

申請権の侵害・・以上のような理由から、役所は、経済的状態以外の条件を付けるなどして申請を拒むことはできません。例えば、「住民票がない」「働ける年齢」などは保護の要件にはできません。