国保は社会保障制度であり、公費負担が原則
8月21,22日、神奈川県の日本共産党議員の合宿が行われました。全権の議員から各議会の報告や、分科会では各分野からの報告と討議が行われました。特に、勉強になった国民健康保険の問題について、概要を紹介します。
国民皆保険制度を維持するための基本的視点
① 「払える保険」であること
② 保険証1枚で「いつでも・どこでも・誰でも必要な医療が受けられる」こと
国保の基本的性格と位置づけ
① 国保=社会保障制度
国が財政的責任を負い、国民の生存権を保障する
② 国保の位置づけ=医療保険制度の「最後の砦」、皆保険制度の土台
国保の費用負担
国保法で、国保は公費負担を原則とする制度であり、保険料(助け合い)が原則の制度ではない。
国保の都道府県単位化を考えるにあたって
●厚労省は一般会計法定外繰り入れを問題視するが、はたしてそうか?
●市町村は「税金が一部の人に使われるのは問題だ」というが、はたしてそうか?
「国保は社会保障」という立場からみると財政を含む第一義的責任は国であり、都道府県も財政運営の責任を負う。「地方自治の本旨」は福祉の増進という見地から、都道府県、市町村の財政投入は当然である。
国保の構造的問題
① 年齢構成が高い・・必然的に医療費水準が高くなる
② 財政基盤が弱い・・所得水準が低く保険料負担が重い/保険料収納率も低下
③ 財政の安定性と市町村格差
これらの問題を抱えている。「広域化すれば国保はよくなるか?」という疑問があるが、国保が「赤字」とするなら赤字の国保がいくら集まっても赤字である。国保の都道府県単位化の本来的目的は、構造的問題(高い保険料、高い窓口負担)の解決にあった。
国保の保険料はなぜ、高いのか?
●根本的原因は、国庫負担が大きく削減された(84年 医療費の45%->35.9%と1兆円削減)
●構造的な問題・・低所得者、高齢者が多く、医療費が高い
神奈川で求められる課題
保険料に大きく影響を与える3つの要素(財政基盤強化策の財政影響、国保事業納付金制度、市町村法定外繰入)を考慮すると
① 医療費適正化(抑制)の恐れ
② 徴収強化促進の恐れ
国保制度の中に調整交付金、納付金、収納率目標、保険者努力支援制度、国保運営方針などを使った医療費抑制の仕組みを組み込ませないことが重要。