代表質問―感染リスクの高い施設へはPCR定期的検査を!
9月11日、9月議会で日本共産党は代表質問を行いました。そのなかの「新型コロナ感染防止対策・感染リスクの高い施設へのPCR定期的検査」について、その質疑を以下に紹介します。
【質問】
政府「医療機関や高齢者施設などの全員を対象に、一斉に定期的な検査を要請」
感染リスクが高い施設への社会的検査についてです。
8月28日、政府は「対策方針」で「感染者が多数発生している地域においては、医療機関や高齢者施設などに勤務する者、入院・入所者全員を対象に、一斉に定期的な検査を都道府県等に要請する」とし、それまで自治体と施設の判断としていた方針から政府として「実施を要請する」と一歩踏み込みました。感染リスクの高い施設での定期的検査につながる方向です。各自治体でも医療施設や高齢者施設などへのPCR検査拡充の動きが広がっています。東京都世田谷区では、現在、PCR検査を1日300人実施していますが、1600人へと5倍超に拡大。介護事業所・保育園・幼稚園・特養ホームなどに「社会的検査」と位置づけ1日1000人の検査を実施する予定です。千代田区では区内の介護施設の全職員にPCR検査を行うとし、石川県では、医療機関など「重症化リスクの高い集団」で感染が確認された場合、「濃厚」ではない接触者まで検査を広げるとしています。このように川崎市でも、医療機関、高齢者施設やさらに学校、保育園、幼稚園などの全職員対象に定期的検査へ踏み出すべきと思いますが、市長に伺います。
軽症・無症状者の隔離・保護する宿泊施設は何室確保?
PCR検査の拡充とともに、家庭内感染を防ぐために、軽症・無症状者の隔離・保護する宿泊施設が相当数必要です。川崎市として独自にどのような施設を何室確保しているのか、市長に伺います。
PCR検査は今の5倍、10倍必要
PCR検査の体制についてです。
現在、川崎市のPCR検査数は、ピーク時で1日500件程度です。感染者が出た場合の全員調査、医療機関や高齢者施設への定期的検査を実施するためには、世田谷区のようにPCR検査体制を今の5倍から10倍程度にする必要があります。カギは保健所を介さないPCR検査を増やすことです。大阪府では、保健所を介さない検査として保険適用による検査実施もあり、現在、府内221か所の医療機関で実施されており、自治体と医師会が行政検査の委託契約を結んで行うとしています。川崎市も、新しいPCR検査機器を導入し、保健所を介さないPCR検査を抜本的に増やすべきです、市長に伺います。
【答弁】
次に、感染症法に基づく行政検査は、感染拡大を防止するとともに、重症者・死亡者を最小限にすることを目的して、医師が必要と判断した者に実施することとされており、今後も検査が必要な方に、より迅速に検査を行ってまいります。
「陽性者はわずかである」「効果が低い」という理由から実施しない
日ごろから感染予防に気を付けている施設職員など特定の方を対象に、定期的に検査を行うとどにつきましては、地域的な感染拡大が生じていない場合には、無症状者から感染者を発見する可能性は極めて低く、膨大な検査を実施しても陽性者は僅かであると考えられていることから、感染拡大防止に対する効果も低いものと認識しております。
次に、軽症及び無症状の方が療養を行う宿泊施設につきましては、都道府県が確保することとされており、神奈川県において、現在7施設、1592床を確保しております。
次に、検査数の拡充につきましては、市健康安全研究所での行政検査のほか、市医師会や市内医療機関との委託契約による民間の保険適用検査を実施しているところであり、今後も検査実施可能な医療機関を拡充し、検査需要に的確に対応してまいりたいと存じます。
【再質問】
「効果が低い」という理由だが、高齢者施設で一人でも出たら生命の危機に
答弁は「膨大な検査を実施しても陽性者はわずかである」「効果が低い」という理由から実施しないということでした。陽性者の確率、効果が低いからやらないというのは、感染リスク、命のリスクを無視した信じられない見解です。医療機関や高齢者施設は、感染者が一人でも出たら、院内感染、施設感染を引き起こし、生命の危険につながりかねないという認識はないのか、市長に伺います。
「無症状者からの感染者を発見する可能性は極めて低い」から実施しないという理由ですが、感染拡大の4割は、無症状感染者からだといわれています。無症状感染者を早く見つけて、隔離・保護することが重要だということは、医師会も国も認めていることです。国は「医療機関や高齢者施設などの全員を対象に、一斉に定期的な検査」を自治体で判断するから自治体に「要請する」と踏み込んでいます。こういう国の要請を市は受け止めないのか、市長に伺います。
【答弁】
「国の通知通りに検査を実施」
次に、感染りスクが高い施設への検査につきましては、感染症法に基づく行政検査は、感染拡大を防止するとともに、重症者、死亡者を最小限にすることを目的として、医師が必要と判断した者に実施することとされており、今後も検査が必要な方に、より迅速に検査を行ってまいります。
次に、一斉、定期的な検査につきましては、国の通知にも記載されているとおり地域における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合には、今後も検査が必要な方に対して適切に対応してまいりたいと存じます。
【最終意見】
国の通知通り「医療機関や高齢者施設などの全員を対象に、一斉に定期的な検査」を
感染リスクの高い施設への検査については、「国の通知に記載されている通り」検査を実施するという答弁でした。国の通知は「医療機関や高齢者施設などの全員を対象に、一斉に定期的な検査」を実施するということですので、通知通り対応することを求めておきます。