決算審査特別委員会ー平瀬川・矢上川の豪雨・洪水対策、平瀬川に国の補助を!
9月19日、決算審査特別委員会の総務分科会でのむねた議員の質疑を紹介します。
【質問】
2款3項1目 危機管理対策費 河川の豪雨・洪水対策について
・今年8月の九州豪雨災害、この間の台風被害など豪雨による河川の洪水被害が多発しています。川崎市は川崎市地域防災計画、風水害対策編、平成30年度修正版を出し河川の対策について記述/「短時間の集中豪雨により浸水被害が発生しやすい」として、特に一級河川である矢上川、平瀬川水系をあげています。
・高津区の矢上川周辺では、洪水ハザードマップでも3m未満の洪水浸水想定区域となっていまして、多くの方が、過去に水害を経験しており、どういう対策が打たれているのか、どこに避難すればよいのかという声が出ています。
危険個所の点検について
・神奈川県では今年2月、洪水のリスクの高い区間を指定して、「河川堤防の共同点検」を実施。矢上川の高津区久末、西ヶ崎橋付近、平瀬川の多摩区長沢、あゆみ橋付近で川崎市と共同点検を行いました。
① 矢上川など各河川での重要水防個所の点検の実施状況を伺います。
【答弁】
洪水等の時に、特に注意が必要な箇所として、矢上川などの市内の一級河川につきましては、河川管理者である国や県により、 201箇所が重要水防箇所として指定されており、毎年、河川管理者が主体どなり本市及び地域住民等と共同点検を実施しております。この点検では、重要水防箇所の確認と、出水時における的確な避難行動につながる情報の入手方法の周知等、浸水被害の軽減に向けた取組を行っているところでございます。
また、本市が管理する準用河川などにつきましても、河川維持管理計画に基づき、平常時の巡視や出水期前の定期点検を実施し、必要に応じて倒木の撤去や除草等を行うなど、適切な対策を行い、水害の防止と軽減に努めております。
【質問】
・多くの住民は、自分の近くでどこが危険個所なのか、どこに避難したらよいのか、知らないことが多いようです。住民が要望すれば説明会などの開催も必要ではないでしょうか。私も矢上川、平瀬川の流域の方を訪問して住民説明会の要望は非常に強いものがありました。
危険個所の防災対策について
・洪水ハザードマップでは、洪水危険個所にカメラが設置されています。矢上川では西ヶ崎橋、有馬川では五月橋。平瀬川では、多摩川と合流する地点にカメラが設置されています。
② 矢上川、平瀬川で重要水防個所でのカメラ設置や護岸・堰堤改修などどのような防災対策を行っているのか、伺います。
【答弁】
河川監視カメラにつきましては、河川のりアルタイムの画像を地域住民等に提供することを目的に、河川管理者である国や県により、矢上川では重要水防箇所に3箇所、平瀬川では多摩川や平瀬川支川との合流点付近に2箇所設置されております。
矢上川につきましては、台風や集中豪雨時に矢上川及び有馬川の水を取水し、地下トンネルへ貯留する施設として、矢上川地下調節池整備事業が、神奈川県により進められております。
また、本市におきましても、平瀬川の重要水防箇所である殿下橋から新井台橋の区間の護岸改修工事を行っているどころでございます。
【質問】
・それ以外の地点でも、多くの個所で住民の方からカメラの設置を、また、川の合流地点の改良をとの声が出ています。高津区久末では、用水と有馬川が合流する地点がありますが、住民から「川の増水時、有馬川から用水に水が逆流して用水側があふれそうになった」「合流地点のカメラの設置と合流地点の改良を」との要望が出されました。
・平瀬川の護岸工事が行われている上作延の住民の方からは、「川の中にある仮設の構台に増水時に流れてきた木々やゴミが引っ掛かり心配」「護岸の壁が膨らんできており、表面のブロックがはがれれば護岸が簡単に崩れるのではないか」などの声が出されています。
こういう危険個所は、他にもまだまだありますし、早急にカメラ設置や護岸工事が必要だと思います。
国からの補助について
・平瀬川は、一級河川で国と県、市が共同で維持管理をすることになっていますが、上作延の護岸工事は、市の単独事業として行われています。今までかかった工事だけで10億円、これから10年以上もかかる工事ですので、その総額は、80億から100億円に達すると想定されます。
③ 各河川の豪雨、耐震対策において、国からどのような補助を受けているのか、伺います。
【答弁】
市内一級河川で本市が事業主体となって治水対策を実施している五反田川及び平瀬川支川につきましては、国士交通省の防災・安全交付金事業の都市基盤河川改修事業を活用し、準用河川である三沢川及び麻生川につきましては、総合流域防災事業を活用して、整備を進めているところでございます。
また、平瀬川の護岸改修工事におきましては、耐震対策としての国庫補助事業の活用について、現在、国や県と調整しているところでございます。
【質問】
・8月にはたの衆議院議員、石田県議と国交省に行き、護岸工事に対する国からの補助について交渉を行いました。国交省は「社会資本整備総合交付金のなかに該当するメニューがある」として施設機能向上事業、広域河川改修事業の2つを示し、「申請してくれれば国が半分補助を出します」と答えました。そのほかにも五反田川で交付されている都市基盤河川改修事業や三沢川の総合流域防災事業など使える交付金はいろいろあると思います。ぜひ、これらを使い、国や県からの補助も使って、早急に護岸整備、河川改良を進めるべきです。
洪水時の避難場所について
・矢上川の周辺の住民から「避難所となっている子母口小、久末小まで遠くて行けない」「もっと近くに避難する場所がないか」という声が出ています。
④ 高津区の久末、子母口地域での避難所補完施設は、どのような施設があるのか、伺います。
【答弁】
避難所補完施設につきましては、地域の住民の方が指定された避難所へ避難することが困難な場合に備え、施設の管理者等の承諾を得て指定しているものでございます。
高津区久末、子母口地域につきましては、公共施設では、子母口こども文化センター、子母口老人いこいの家の2施設を、また、その他の施設では、蓮花寺や橘樹神社などの寺社や市営住宅、民問の集合住宅の集会場、保育園などの14施設を指定しており、計16施設となっております。
【質問】
・これら避難所補完施設について、多くの住民は知りません。特に危険個所付近の市民に対して、やはり周知するための住民説明会や特別の手立てが必要だと思います。特に矢上川では、現在、県による地下貯水池の整備が行われていますが、周辺住民の方は、ほとんどこの事業について知らされていません。県は、希望があれば住民説明会を開くと答えていますので、ぜひ、県と市が協力して住民説明会を要望します。
・高津区・宮前区の野川地域では、昨年も浸水被害がありました。しかも、この地域は、避難所からも遠く、なかには避難所保管施設からも遠い地域もあります。しかし、近くに大型の家電量販店があります。
⑤ 避難場所として、公的な高い施設がない場合、民間の大規模店舗などの協力を得たい場合、どのような方法があるのか、伺います。
【答弁】
災害による被害を最小限にとどめるためには、民間施設等も含め、地域の実情や施設等の状況を踏まえて、さまざまな形で柔軟にその役割を担っていただくことも重要と吉えております。
地域防災力の向上につきましては、自主防災組織を中心とした地域のコミュティづくりが大変重要であると認識しております。
民間施設の協力につきましても、まずは自主防災組織等による取組のーつとして、日頃から防災上の課題などについて意見交換や情報共有をしていただき、地域の実情や施設等の状況に応じた協力体制の構築に取り組んでいただきたいと芳えております。
【要望】
・こういう要望があった場合、ぜひ、相談、支援をお願いします。
・以上のように、河川の危険個所の点検が必要ですし、その地点において、カメラ設置や護岸工事、河川改良など対策は急務です。ぜひ、国や県と相談して使える交付金をどんどん活用して早急に対策を打つことを要望します。また、洪水対策や避難場所について多くの方が知りたいと願っています。ぜひ、要望がある場合や危険個所においては住民説明会の開催をお願いします。