むねた裕之
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代表質問③-小杉の超高層マンション建設で保育所、小学校、JR線は限界に

12月6日に行われた日本共産党の代表質問で、武蔵小杉のまちづくりについての質疑を紹介します。

◎ 質問

小杉駅周辺に超高層マンションが建設予定5棟、人口1万人増加

武蔵小杉のまちづくりについてです。

11月16日、まちづくり委員会で「武蔵小杉の超高層マンション建設見直しについて」の陳情を審査しました。これまで小杉駅周辺地区では高さ100mを超える超高層住宅10棟が完成し、さらに事業中・計画中の超高層住宅は、今後7年間で5棟建設され、合計3162戸、人口は約1万人増加します。委員会で、質問があった「今後10年間の保育利用者数、小学校児童数、JR駅の利用者数の推計」について、回答は最後まで出されず、行政側は、公共施設の今後の利用者推計もないまま超高層マンション建設を推し進めているという、異常な実態が明らかになりました。

10年後、保育所利用申請者5000人増、80か所の保育園が必要に

保育所の整備についてです。中原区の保育所利用申請者数の推計は、今後4年間分しか出されませんでしたが、その推計から試算すると、年間500人、今後10年間で5000人増にもなり、60人定員の保育所にすると80か所必要になります。80か所の認可保育所を確保できる見通しはあるのか、伺います。

10年後、学校内の2つの小学校の教室数はパンク

小学校についてです。超高層マンションが今後5棟建つエリアの小学校は、西丸子小と新築される小杉小の2校です。西丸子小の学区では、今後7年間で計2030戸のマンションが完成し供用開始となります。新設される小杉小の学区には、今後2年間で計1132戸のマンションが完成し供用開始となります。教育委員会からは、児童数の推計は6年後までしか出されていませんが、教育委員会の試算方法で試算をしたところ、西丸子小は、現在の628人からピーク時には1260人と倍加し、現在の1クラスの人数で試算すると必要な教室数は、42教室となります。新設の小杉小も、2019年の410人からピーク時には806人となり、ここも倍加し、必要な教室数は、28教室です。両小学校の教室数は、合わせて56教室ですが、ピーク時には約70教室が必要となり、完全にパンクします。このように小学校が足りなくなるような現状が予想されるのですから、早急に推計を出し、計画の見直しを提案すべきと思いますが伺います。

JR南武線、横須賀線は、現在、山手線以上の本数で、すでに限界

JR武蔵小杉駅についてです。南武線はラッシュ時の川崎方面の本数は1時間に25本で山手線のラッシュ時の本数23本より多いということで、今でも限界の状態です。横須賀線・湘南新宿ラインのラッシュ時の上りの本数は、東海道線も含めると23本で、山手線と同じ状況で、すでに限界です。過去10年間の実績を見ても、中原区の人口は3万3千人増加しましたが、JR武蔵小杉駅の乗車人数は、約5万人増えていて、人口増以上に乗車人数は増えています。中原区の人口は今後10年間で3万人以上増加すると推計されていますが、JR利用者は何人増加するのか、推計されているのか、伺います。相鉄線が武蔵小杉駅に乗り入れ、1時間に上り4本程度になるとのことですが、現在の23本という状況から考えて小杉駅に停車できるのか、伺います。

◎ 答弁(こども未来局長)

保育所の整備計画は平成33年度(2021年度)まで

保育所の整備計画につきましては、「子ども・若者の未 来応援プラン」において、量の見込みと確保方策を定め、着実に推進しているところでございます。本計画は平成33年度までとなっておりますが、子ども・子育て支援法に基づく5年を1期とする量の見込みと確保方策について、次期計画期間に向けた見直しを平成31年度中に行う予定でございます。今後につきましても、就学前児童数の動向や保育所利用申請状況等を踏まえ、必要な地域に的確に受入枠を確保できるよう計画的に取り組んでまいります。

◎ 答弁(教育次長)

児童数の推計は6年後(2024年度)まで

児童数・学級数の推計につきましては、現在の0歳児 が小学校1年生になる6年後まで作成しております。7年以上先の推計は出生数の推計が必要となることや、 児童数は開発等の社会状況により大きく変化することから、一定の精度を有する推計といたしましては、6年後までが妥当であると考えているところでございます。今後も、既存地区の児童数の推移や新規集合住宅の供用開始時期、児童の出現率の変化等の情報を反映した推計を毎年作成していくとともに、関係局と緊密な連携を行いながら、必要な対策を適切な時期に行うことで、良好な教育環境の確保を図ってまいります。

◎ 答弁(まちづくり局長)

JR武蔵小杉駅の今後の利用者数について鉄道事業者からのデータはない

はじめに、JR武蔵小杉駅の今後の利用者の増加数につきましては、鉄道事業者から推計データはないものと伺っております。 なお、鉄道施設の検討に必要なピーク時間の駅利用者数の推計につきましては、今後、 JR横須賀線武蔵小杉駅等の混雑緩和対策の設計等を進めていく中でJR東日本と検討してまいりたいと考えております。次に、相鉄・JR直通線につきましては、現在、工事が進められているところでございますが、具体的な運行計画は決まっていないと鉄道事業者から伺っております。

◎ 質問

1500戸の巨大マンションが建つのに推計はない、80か所の保育所確保は疑問

保育所の整備について、現時点では「2021年度まで」で、その後の計画は、来年度に行い、しかも24年度までの計画ということでした。しかし、この地域では、それ以降に1500戸もの巨大マンションが完成し、その計画の戸数も明確になっているのに、なぜ、推計を出さないのか、疑問です。しかも、この4年間の推計でも、中原区は年間500人ずつ増え10年間では5000人、保育園は80か所必要です。児童福祉法24条で述べているように、保育所を提供する義務があるのは基礎自治体です。本当に80か所の保育園を行政の責任で確保できるのか、はなはだ疑問です。

住宅戸数も明確なのに児童数の推計も出さない

小学校についてですが、児童数の推計も「6年後まで」という答弁でした。しかし、それ以降に先ほどの巨大マンションが完成し、児童数は10年間、ずっと増え続けます。その住宅戸数も明確で、この地域ということであれば他の変動要素も少ないわけですから、教育委員会の算定基準で10年後の児童数は出るはずです。その基準で試算しただけでも、現在の西丸子小、小杉小の教室数、全部合わせても足りなくなるわけです。

JR南武線、横須賀線も本数増便は困難、すでに限界では?

JR武蔵小杉駅についてですが、「推計データはない」ということでした。JR南武線、JR横須賀線は、現在でも山手線以上の本数が走っているわけです。相鉄線についても「具体的な運航計画は決まっていない」ということですが、停車できる余裕はないというのが現状です。JR武蔵小杉駅の南武線については、車両を増やす以外に輸送力の増強は図れないのではないですか、伺います。JR横須賀線上りについては、すでにピーク時23本の電車が走っています。輸送力の増強は、すでに限界にきているのではありませんか、伺います。

◎ 答弁(市長)

南武線の長編成化は、大幅な改修が必要。相鉄線も運行計画は決まっていない

輸送力増強につきましては、基本的には事業主体である鉄道事業者が取り組むべきものでございます。こうした中、南武線の長編成化につきましては、これまで、様々な機会をとらえ、 JR東日本に対し要望してきたところでございますが、同社からは、設備の大幅な改修が必要となるなどの課題があると伺っております。 次に、横須賀線の輸送力増強につきましても、同様に JR東日本に対し要望しているところでございます。また、相鉄・J R直通線につきましては、2019年度下期の開業に向けて工事が進められているところでございまして、運行計画はまだ決まっていないと鉄道事業者から伺っているところでございます。

◎ 質問

JR駅の混雑は、市の計画により生じた問題なのに、鉄道事業者任せ

JR駅の混雑解消について市長は、南武線の長編成化を検討しているが「設備の大幅な改修が必要となるなど」かなり難しい課題があると述べ、横須賀線や相鉄線については、「鉄道事業者に伺う」など、要するにすべて鉄道事業者任せという答弁でした。

日医大跡地やエルシー跡地など未着工の超高層マンション計画は見直すべき

 しかし、もともとは市の再開発事業によって生じた問題であり、鉄道事業者任せにするような問題ではありません。保育所、小学校、特に鉄道はどうみても限界にきているわけですから、せめて日医大跡地やエルシー跡地など未着工の超高層マンション計画は見直すべきだと思いますが、伺います。

◎ 答弁(市長)

小杉駅周辺地区につきましては、都市基盤の整備改善、 都市機能の集積、公共公益施設の再編に取り組んできたことにより、交通や生活の利便性など、まちのポテンシャルが向上していると考えております。 今後も、 JR武蔵小杉駅の混雑など、課題への対応と あわせて、都市の活力を高め、持続可能なまちづくりを推進するため、地区計画等を活用し、広域拠点としてふさわしいまちづくりの誘導を進めてまいります。