むねた裕之
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地方自治研究全国集会―沖縄の基地の実態

10月6日、7日と高知で開かれた地方自治研究全国集会に参加してきました。分科会「自衛隊・米軍基地のある自治体の地方自治を考える」で沖縄の基地の実態を学び、改めて沖縄の現状を再認識しました。また、川崎においてもオスプレイの飛行訓練について、多くの危険性があることを認識しました。

以下に、沖縄の米軍基地について、いろいろな誤解について答えた「Q&A Book」の中身を紹介します。

写真(沖縄基地)

普天間飛行場

Q1 何もなかったところに米軍基地ができて、その周りに人が住んだのでは?

これは、誤った認識です。

太平洋戦争で、沖縄に上陸して米軍は、住民を収容所に強制隔離し、土地の強制接収を行い、次々と新しい基地を建設していきました。住民は土地を有無を言わさず奪われたのです。

戦争終結後も朝鮮戦争の勃発などで新しい基地が必要になると、武装兵らによる「銃剣とブルドーザー」で住民を追い出し、家を壊し、田畑をつぶして新たな基地を作っていきました。

例えば、米軍上陸前年の宜野湾村には多くの集落が存在し、約1万4000人の住民がいましたが、沖縄に上陸した米軍は、普天間飛行場建設のために4つの集落を中心に広い範囲を強制接収しました。そこには、もともと役場や国民学校、郵便局、病院、旅館、雑貨店が並び、いくつもの集落が点在する地域でした。

Q2 沖縄にはどれだけの米軍基地があるのですか?

沖縄県には、31の米軍専用施設があり、総面積は1万8609ha、沖縄本島では全体の約15%の面積を占めています。その規模は東京23区のうち13区を覆う広さです。

沖縄が本土に復帰した1972年当時、全国の米軍専用施設面積に占める沖縄の割合は58.7%でしたが、本土では米軍基地の整理・縮小が進み、現在では、国土面積の約0.6%しかない沖縄県に、全国の米軍専用施設面積の約70.6%が集中しています。

Q3 沖縄県の経済は米軍基地経済に大きく依存しているのでは?

基地関連収入が県民所得に占める割合は、復帰前の昭和40年には30.4%でしたが、平成26年度には5.7%まで大幅に低下しており、県経済に与える影響は限定的です。

図(沖縄の経済1)

Q4 米軍基地がなくなったら沖縄の経済に悪影響があるのでは?

返還後の跡地利用が進めば、県経済に好影響を与えると考えます。

中南部都市圏において、市街地を分断する形で広大な米軍基地が存在していることは、都市機能、交通体系、土地利用などの面で、県経済の発展にとって大きな阻害要因になっています。

すでに返還された駐留用地の跡地利用の経済効果を試算すると、那覇新都心地区など3区合計では、返還前を比べて直接経済効果が約28倍、雇用者数が約72倍となっています。

 

図(沖縄の経済2)