日本の米軍基地の異常(1)-首都圏や人口密集地に米軍基地
私は、2001年から2004年まで、日本共産党神奈川県委員会の平和担当だったので、いろんな米軍基地を視察してきました。そこで調べた米軍基地の異常について書きます。日本の米軍基地には世界のどこにもない「3つの異常」が存在します。第一の異常は、日本の米軍基地だけが首都圏や人口密集地に作られていることです。ヨーロッパのドイツやイギリスにも米軍基地はありますが、首都の近くや人口密集地域にはありません。ところが、日本は、たとえば厚木基地のように首都圏に基地が存在します。
厚木基地がある大和市周辺は、人口150万人が住む首都圏のベッドタウンのど真ん中にあります。しかもこの基地では、昼夜を問わずジェット機の離着陸訓練が行われています。地元の不動産屋さんの話では、田園都市線の中央林間駅があり「交通の便がいい」と日曜に住宅を見に来て買ってしまうケースがよくあるそうです。米軍の訓練は日曜日が休みでそれを知らないと大変なことになるそうです。
保育園では爆音で幼児が引付を起こしたり、学校では授業にならないこともしばしばあり、離着陸訓練がある夜はとても寝られない状態になります。なによりいつも墜落の危険があります。
こういう基地はアメリカ本土では絶対に許されません。たとえば、アメリカのエドワード空軍基地は、砂漠のど真ん中にあります。広さでいえば、厚木基地を中心にすると、南は湘南海岸から北は八王子辺りまでの一切人も動植物もほとんど住まない地域にあります。それは、人間はもとより、動植物にいたるまで環境に配慮しなければならないというアメリカの環境アセスメントで決められているからです。アメリカでは、動植物にまで配慮しなければならないのに、日本ではそういう基地を人口密集地に作っている、なんともバカにした話です。(写真は厚木基地)