水道料金の値上げストップを:老朽管の更新などには税金を使うべき
6月11日、日本共産党の代表質問が行われ「上下水道料金の値上げ」について質疑を行いましたので紹介します。
●質問
上下水道事業における料金及び使用料の改定についてです。
5月28日の環境委員会において、9月議会に提案する改定案の「方向性」が示されました。水道料金は20%台前半、下水道使用料は10%台前半の値上げ幅とするとし、仮に水道24%、下水道14%なら月に21立方メートル使用する世帯では997円、年間で約12,000円の値上げになるとされています。また、下水道使用料については、9月議会までに実施を遅らせるかどうかの判断をするとされました。
値上げ幅を小さくして20%台にしたのは、財政収支見通しで、経常収支が赤字になる年度を3年後にするという計算であり、そのために3年後にはまた値上げの検討をしなければなりません。この収支見通しですが、令和6年度の水道事業の予算では当年度純利益は2.5億円としていましたが、決算では16.6億円でした。令和6年度段階での財政シミュレーションでは令和7年度から5億円の赤字になるといっていましたが、その令和7年度予算で5千万円余の黒字を計上しており、収支見通しと違っています。下水道も同様です。「赤字になる」「資金不足になる」と過大なシミュレーションで市民を脅してはなりません。7月に出る7年度決算が現在のシミュレーションと乖離があるなら、値上げ案は再検討すべきですが、伺います。
値上げの大きな理由である、大口利用者が減少するから料金収入が減るということも疑問です。この理由により水道事業の逓増度、下水道事業の累進度を緩和し、値上げ率は小口利用者がより大きくなります。大口利用者の水道使用量は、コロナ禍で減少してからここ数年回復しています。臨海部の事業者が減っていると言われますが、大口利用者は臨海部だけではありません。その使用量が減るという根拠はなにか伺います。臨海部の大企業は工業用水道料金の改定で12億円もの上水受水の料金を下げたのですから、さらに大口利用者の値上げ幅を小さくするのは市民の理解を得られません。大規模な事業者は水道料金などを価格に転嫁できますが、小口利用者は限られた収入の中で生活をしています。逓増度などの緩和はするべきではありませんが、見解を伺います。
市民の声は「この物価高が止まらないときに、水道や下水道まで上がるのは、本当に困る」「こういう時こそ市は市民を助けてほしい」というものです。市民生活に欠かすことのできない水の供給や下水処理の費用の市民負担は軽減するのが自治体のあるべき姿です。他都市の比較でその多寡を図るべきではなく、今の市民の生活から値上げそのものが大変な負担だということを認め、値上げの是非を再考すべきですが伺います。
上下水道局は市民意見を自ら聴取しないとのことです。市民と直接繰り返し対話し、一致点を作る努力をするべきと考えます。それにより値上げできないということであればその結果を受け入れるべきです。市民意見をきく場を作り、取り入れることについて、見解を伺います。
◎答弁
はじめに、料金改定の検討についてでございますが、今後、令和7年度決算見込みなどを反映した財政収支の下、必要な改定率等につきましては、 9月開催の市議会定例会へ提出を予定している改正条例議案の中でお示ししてまいりたいと老えております。
次に、大口の水需要についてでございますが、本市では、使用水量が月50立方メートルを超える使用者を大口としており、過去、大口の水需要が減少傾向で推移していることから、将来の水需要につきましても、その実績の推移をもとに予測し、減少を見込んでいるところでございます。
次に、逓増度等の緩和についてでございますが、’本市の水道料金の逓増度につきましては、東京都及び政令市の中で最も高く、また、下水道使用料の累進度につきましては、東京都及び政令市の中で2番目に高いことにより、大口の水需要の減少が料金等に与える影響が大きく、安定経営の観点で課題があるところでございます。
したがいまして、経営審議委員会から、逓増度等の緩和を提言されたところでございまして、これに向けて取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、改定による市民負担につきましては、今後の物価、金利、賃金の上昇により支出の増加が見込まれるなどの厳しい財政状況の下、市民生活の安全・安心を守るための水道、下水道の管路、施設等の更新、耐震化などを着実に推進するために行うものでございます。
事業の着実な推進を可能とする安定的な経営基盤の構築と、低廉な生活用水・排水とのバランスをしっかり考慮した上で、料金等の改定を検討してまいります。
次に、市民意見の聴取につきましては、これまで市内各種イベントブースにおいて、延べ約900人の方に御協力をいただき、シールアンケートを通じた市民対話を実施するとともに、市民団体の求めに応じて説明会を開催してきたところでございます。
今後は、町内会への説明会の実施のほか、その他各種団体に向け、説明会実施の周知を行うなど、必要な対応を図つてまいりたいと老えております。
●再質問
市民負担を増やす理由は、「支出増が見込まれる厳しい財政状況のもと、市民生活の安全・安心をまもるための管路や施設等の更新、耐震化を進めるためだ」との答弁でした。施設等の更新や耐震化のためには様々な財源があり、主に料金収入に求めるように言うのはまちがいです。水道も下水道もまさに市民のいのちと暮らしを支える公共財であり、もともと税金で整備すべきものです。財務省の「税金とは」という説明にも水道は社会資本として税金をあてるものと書かれています。しかし国はそのための十分な財政を当てないまま、企業会計として料金収入を充てる仕組みにしてしまいましたが、必要な場合には一般会計からの繰り入れを禁止していません。市民の安全と安心を守るために施設の老朽化、耐震化をするということと、市民の生活を守ることを両立させるには、少なくとも老朽管の更新などには一般会計からの基準外繰り入れを行って進めるべきであり、それによって値上げを抑えるべきです。上下水道局としてそういう立場で臨むべきと思いますが、伺います。
◎答弁
地方財政法第6条及び地方公営企業法第17条の2第2項には、「地方公営企業においては、その経費は、当該企業の経営に伴う収入をもってこれに充てなければならない」という、いわゆる独立採算制の原則が規定されており、一般会計からの繰入れに依存した経営を行うことは、法の趣旨に反するものと認識しております。
一般会計から繰り入れるべき経費につきましては、総務省から繰出基準として、各地方公共団体に示されており、その通知や制度に照らし、適切な繰入れがなされるよう、今後も、関係局と調整を進めてまいります。
●意見
上下水道料金の改定について、「一般会計に依存する経営は法に反する」と答弁されましたが、そんなことを求めてはいません。老朽管の更新などには税金を使うべきだと提案したのです。税金で市民を守らずに、一体どこに使っているのか、市民は当然、強い疑問を持たざるをえません。税金を市民本位に使うことを強く求め、質問を終わります。






