川崎市の人口:国の推計では20年間人口増加で人口減少せず
2月27日、日本共産党川崎市議団は、むねた議員が代表質問を行いましたので、「人口推計」について質疑を紹介します。
●質問
総合計画の人口推計についてです。
将来人口推計というのは、総合計画、行財政改革、今後の財政運営などのベースとなる重要な基礎データです。人口推計については、全国的にも一般的にも国立社会保障・人口問題研究所(社人研)のデータを使います。川崎市は独自の人口推計を作っていますが、社人研と市の人口推計を比べて驚くべき違いが明らかになっています。市の推計では人口は10年後から減少ですが、社人研の推計では20年間は増加し続け、人口は減少しないのです。この事実は新聞でも報道されましたが、市民はどちらを信じればいいのでしょうか。
この違いの要因は出生率です。川崎市の出生率は23年の実績値1.14を2050年まで、そのまま固定でこの値を使っていますが、社人研は23年1.23を最低値として毎年上昇し、40年1.33、50年1.35と推計しています。社人研は、全国的には出生率は上がっていくと推計しているのです。
人口推計と出生率は密接に関係します。少子化対策を拡充した東京は、今年度、出生数が10年ぶりに増加に転じました。ヨーロッパでも、とくにフランスでは、90年代、低かった出生率をあげようと子どもの教育費と医療の無償化など子育て支援に力を入れて、1.6だった出生率が2010年代以降2.0に回復。イギリスも90年代1.5だった出生率が2010年代にはヨーロッパ主要国と同じ1.9程度まで引きあがっています。少子化対策に力を入れれば、東京でもヨーロッパでも人口減少は20年あれば回復するのです。川崎市はこの低い出生率を10年後も20年後も変わらないとしたということは出生率を上げるつもりはない、少子化対策を真剣にやらないということでしょうか。少子化対策をしっかり取り組むというのであれば、社人研と同じ出生率で人口推計を試算すべきです、伺います。総合計画、行財政改革の前提を人口減少ではなく、人口増加にすべきです、伺います。
◎答弁
社人研の推計につきましては、とれまでも市の推計において参考としておりますが、本市では統計学的な調査に加えて、大規模開発による人口増加や、本市における最新の出生率を用いるなど、地域の実態に即した分析によって、より精度の高い推計を行っていることから、総人口の減少時期等に差が生じているものと考えております。
また、本市の出生率につきましては、近年は減少傾向にございますが、子育て施策をはじめとした様々な取組をすすめているととから、推計に当たりましては、最新の実績値を下回らない水準で設定しているところでございます。
次に、総合計画等の前提についてでございますが、現状、本市の人口は社会増が続いている一方で、出生数の減少などにより自然減が拡大しており、全体としては、近い将来、緩やかに人口減少へと向かう推計となってぃるところでございます。
こうした状況から、当面の人口増加に対応しながら、その先の人口減少を見据えた持続可能な行政運営を図るための視点を盛り込んでいるところでございます。
●意見
社人研との推計の違いについて、本市は「地域の実態に即した分析によってより精度の高い推計をしている」という答弁でした。しかし、前回5年前の人口推計についても比較すると、人口のピークは市は2030年、社人研は2035年です。25年の人口実績値、156万人についても、市の推計は158万人、社人研は155万人でした。前回の人口推計についても、ピーク時、人口の実績値のどちらも社人研のほうが精度の高い推計をしています。
出生率について「子育て施策を進めていることから、実績値を下回らない」としたということですが、子育て施策を進めれば、今の1.14という最低値がずっと続くとはならないのではないですか。出生数についても、川崎市の出生数を支える生産年齢人口は、5年間は増加するのです。出生数を拡大する可能性はおおいにあるのです。 これだけ人口増加の理由があるのに、市は出生率を低く試算して人口減少を主張するというのは意図的です。市の人口推計は社人研をベースにして、総合計画、行財政改革の前提を人口減少ではなく人口増加にすることを求めておきます。






